どうも、5回目のブログリレーのバトンが回ってきた映画好きのH.Tです。
これまで趣味である映画に関しての記事を書いてきましたが、今回は趣向を変えて個人的に敬愛してやまない〝とある人たち〟について記事を書きます。
最近NHKらしからぬバラエティ番組として人気の チコちゃんに叱られる で解答者をグループ名で呼ぶチコちゃん。準レギュラーとしての呼び声も高い大竹まことが出演した場合では、チコちゃんは「ねぇねぇシティボーイズはさぁ」と大竹まことに向かって『シティボーイズ』というグループ名で、おじいさんに属する年齢にもかかわらずシティボーイズ呼ばわりしていますが、
ご存知ですか? シティボーイズのこと。
おそらくチコちゃんの発言から、初めて大竹まことがグループの一員だったことを知った方も多いのでは。
大竹まこと(中央)の他には、きたろう(左)斉木しげる(右)という3人です。
きたろうも、斉木しげるも、ドラマや映画でちらりと顔を知ってるくらいの名バイプレイヤーの役者としてなら認知されていることかと思います。
まさか、この3人がユニットを組んでいたとは!とビックリした方に対して、更に驚く情報を与えるならば、主にテレビなどで個人で活動しているコメンテーターや渋い脇役俳優という一面だけでなく、実をいうと、彼らはコントを中心としたお笑い畑の人たちでもあるのです。
しかも一時期お笑いの最先端を突っ走っていたほどの、知る人ぞ知る唯一無二のコントユニットであります。本当に意外と知られていない事実です。
来年で3人全員が70代に突入する云わば団塊の世代で古稀を祝われる対象のおじいちゃんなのですが、彼らの作り出す笑いは全く年寄り臭くなく尖がりまくっています。20年以上も前のライブで披露したコントでも未だに劣化することなく笑えちゃうほどです。
しかし年齢には勝てず、さすがに現在は定期的にライブを行っていませんが、全盛期は年1回のペースで毎年5月に公演を行い、2000年まではシティボーイズライブと銘打って、2001年からはシティボーイズミックスpresentsと銘打って、時には3人だけ、時には様々な客演を呼んで伝説的なライブを幾つも作り出していました。
基本としてメンバーである3人の他に、親交の深い大食い選手権のリポーターとして有名な中村有志が、同じく親しい仲のマルチクリエイターであるいとうせいこうがライブに参加することが多く、この5人のメンバーが揃うと最高の布陣として化学反応が起こり、決まってコントが神懸るように何倍も面白くなります。
その他にゲストとして客演した人を紹介すると、YOU、荒川良々、犬山イヌコ、若手コント芸人であるラバーガールにザ・ギースにチョップリン、またお笑いとは縁遠い、ピチカート・ファイヴの野宮真貴、銀粉蝶、辺見えみり、イラストレーターの五月女ケイ子をも巻き込みます。更には俳優として活躍する前の電気グルーヴのピエール瀧や、ブレイクする前のムロツヨシも参加しており、彼らが先見の明を持っていることも伺えます。
そして決まって彼らのライブには演出を担当する作家さんが付いていて、2000年まではドラマの時効警察や映画監督として有名な三木聡が、2010年までは深夜!天才バカボンの監督でもある細川徹が務めていました。シティボーイズのライブを経たからこそ、現在の第一線での華々しい活躍があるといっても過言ではないかと思います。
その後は作家さんが一公演ごとにコロコロ変わり、NHKのニッポン戦後サブカルチャー史の講師だった劇作家の宮沢章夫や、書き出し小説大賞の選者でも知られる漫画家の天久聖一や、劇団五反田団を主催する前田司郎が担当し、各々の作家さんの持ち味を生かして常に新たなライブを展開すべくチャレンジを重ねていきました。
またライブで使用される音楽を監督するメンツも拘り抜かれていて、小西康陽、FPM 田中知之、石野卓球、NONA REEVES 西寺郷太、PE’Z、スチャダラパー SHINKO、カジヒデキ、など錚々たる面々が手掛けていて、あのオジサン3人に似つかわしくないながらもハイセンスな楽曲によりライブを単に面白さだけではなくムードに溢れた魅力をも引き立たせます。
以上のような一筋縄ではいかないエッジの効いた人選によるメンツと共に力を合わせてシティボーイズのライブは作り上げられてきました。
役者としての活躍に裏打ちされた演技力、シュールでアイロニカルでナンセンスでオシャレ、コントに張っておいた伏線を別のコントで回収する、などシティボーイズの名の通り、まさに都会派なクオリティのライブを一度でも体感すれば、大竹まこと、きたろう、斉木しげるという3人への印象がまるで変わってくると思います。
そんなレジェンドたちの存在は、リスペクトを公言しているラーメンズを筆頭に、後に続くコントを志す芸人には多大な影響力を及ぼしており、シティボーイズの名を知らないコント芸人はいないんじゃないかと思われるほど偉大です。
成人を迎えた頃にテレビでコントを見て衝撃を受けて大ファンになった自分は2003年からライブやイベントがある毎に必ず足を運んで通い続けて今や15年が経ちました。
来年で結成40年となるシティボーイズ。何かしらアニバーサリー的な企画があるのでは、と内心ではドキドキ期待していますが、くれぐれも無理せず身体には負担のかからない程度で、とファン心理としてはご自愛も願いたいところです。
前置きが長くなりましたが、百聞は一見にしかず。最後にシティボーイズのコント動画を是非ご覧ください。
「五人姉妹の物語」1995年公演/愚者の代弁者、うっかり東へ
女装は一切せずシンプルな衣装と座布団の色だけで夏の法事の一幕を再現してしまうクールさ
「坂ノ上教授の米寿を祝う会」2001年公演/ラ ハッスル きのこショー
大量のマネキンに囲まれた特異な設定から始まっていく情けない教授たちへの的確なツッコミ