せふぃろと利用者のM.Nです。
さて、今回も引き続き、うろ覚えながらの歴史に関連した内容です。
今回取り上げますのは、「隗(かい)より始めよ」についてです。
現代の日本でも政治家や官僚の方々が偶に口にされる言葉ですね。
意味としては「小さなことから始めよう。自分から始めよう。」といったところでしょうか。
この元となったのが、中国の春秋戦国期の「燕」という国の昭王の逸話です。
その当時の燕は、南にある超大国「斉」に従属を強いられている状況で、何かにつけ、金銭、物資、兵士を要求されており、非常に苦しい立場にありました。
これを燕の昭王は良しとせず、何とかこの状況を脱しようと考え、そのために優秀な人材を多く集め、その力で国を強くし、斉の支配から逃れようとします。
このとき、昭王が人材を集める方法を尋ねたのが、燕の王都で一番の知者とされていた郭隗でした。昭王は郭隗に対して、より優れた人材を多く集めるためにはどうすればよいだろうかと尋ねます。
これに対する郭隗の答えが「隗より始めよ」でした。
つまり、「私を登用することからお始めください。私のような無名の者を重く用いるということが天下に知れ渡れば、より優秀な者たちは自分ならばそれよりも優遇されると考え、集まってくることでしょう。」ということでした。
これを聞いた昭王は郭隗の言葉を信じ、郭隗を重く用いることとなります。
結果、郭隗の読みの通りとなり、以降、各地から優秀な人材が多く仕官を望み、燕は成長を遂げることとなります。
そしてその中に、後に燕の軍制改革を成し遂げ、それまで苦しめられてきた超大国「斉」を滅亡寸前にまで追い込むことになる名将「楽毅」がいるのですが、それはまた別のお話しということで。
リーダーとして他者の意見を聞き、意見の正しさをきちんと見抜き、正しいと考えれば、即座にそれを実行するという実行力が、国の成長をもたらした良い例といえるでしょう。
常にこのようにありたいものですが、結果として成功例が後世に残っているのであり、実際には話に残らなかった失敗例は数えきれないと思います。良かれと思い、他者の意見を採用した結果、大きな失敗をしてしまったとか。残念ですが、こちらの方が可能性としては多そうで。
世の中、そうそう上手くはいきませんよね。
以上。
うろ覚えで「隗より始めよ」でした。