とりくみ・特徴
「就労創造センターせふぃろと」は、少しゆっくり働きたい方やこれから一般企業に向け働きたい人が働きながら生きる力を蓄えるための福祉サービス事業所です。
障害福祉事業の現状と今後を見つめながら、就労継続支援A型事業所就労創造センターせふぃろとを作ろうと思った経緯・動機やそのためのとりくみ、そして今後の展望について株式会社ソーシャルプランニング流(ながれ)の取締役 坂根 匡宣が解説いたします。
経緯と福祉事業所への思い
わたしが障害福祉にかかわるようになってから、ずっとその制度と現実に矛盾を感じておりました。
いわゆる「授産」と呼ばれる、与えられた内職的な軽作業・単純作業に決められた時間だけ従事して労働報酬を受け取るという、従来の障害福祉事業所・作業所の運営・就労の形態では、自立への道にはほど遠く「一般的雇用」と「福祉的雇用」をむしろ大きく隔ててしまいがちなのではないだろうか、という疑問です。
「もしわたしが同じ立場だったら…」という視点から現状を見ると、状況から抜け出せない現実を切実に感じます。
そこにはおおきな問題があるように感じたのでした。
- 自分が社会参加している実感を感じる
- 自分の将来の可能性を見いだせる
- 自分が社会的価値を生み出せる
この矛盾や欠落を埋めるには、わたし自身が「この事業所に通いたい」と感じる事業所・作業所を作らなけらばいけない、という結論に至りました。
せふぃろとの理念
障害者自立支援法(現 障害者総合支援法)成立後、それまでは社会福祉法人でしか運営できなかった就労継続支援(旧 授産施設)などの事業が小規模事業所でも運営できるように変化してきました。
そこで、わたし自身が「この事業所に通いたい」と感じる事業所を運営できる可能性が見えてきたのです。
「人と人とが支え合う協働のソーシャルワーク」を実現するためには、まず支援スタッフと利用者の間が対等であるべきだと考えました。管理者的な立場にならず、対等な関係でこそ利用者は安心して作業や自己表現に取り組めるのではないだろうか。
「けっしてお互いを排除することなく本人の労働力で上下的関係を作らない、新しい社会モデルとしての事業所づくりこそが利用者のみなさんだけでなく支援スタッフも含めて ”社会とのつながり” を実感できる場所となるはず」そう考えて事業所(せふぃろと)はあゆんできました。
社会とつながるとりくみ
確かに一般企業の利益と比較すると、福祉事業所の仕事による利益は低いというのが現実です。 しかし、そこに地域活動などの取り組みによる「社会貢献」という価値を付加することによって利用者とスタッフが「社会へのつながり」を実感して自分自身の価値を再認識できる。
それこそがせふぃろとができる「新しい生き方の提案」なのです。
せふぃろとは現在、
- 西区や浪速区、西成区などの関係する各区での地域イベントへの参加
- 各区の社会福祉協議会とネットワークして、おたがいの「つながりづくり」
などの社会貢献に取り組んでおり、「人にやさしい大阪府の会社」として認知されるようになっております。
今後の展望
現在せふぃろとが取り組んでいるのは、
- クラウドソーシングへの積極的な提案
- デザイン、Web制作業務の特化
などによる自身の能力で高収益を生むことができる障害者就労支援事業所に成長していくことです。
この取り組みは、利用者自身の社会参加への実感を促しながら自身の成長やスキルアップにつながるという効果を期待できます。この取り組みによって利用者も事業所も自身の力を蓄えていくことができると思われます。
― 先の話になりますが ― その取り組みの先には障害福祉事業にこだわらない事業所の運営があります。 せふぃろとはこれまでも、障害者就労継続支援以外の引きこもりや生活に困窮する方たちへの支援を行ってきました。
今後わたしたちが目指しているのは、みずから(事業所単体)の力で収益・収入を生むことができる福祉助成金に頼らないソーシャルエンタープライズ(社会的企業)としてとして成立できる事業の設立です。
このビジョンのために現在も、地域と密着しての町興しも兼ねた新しい事業所の設立を計画しております。